お知らせNEWS

ブログリレー ~特別養護老人ホーム藤花・小阿賀~

2024.11.01

法人本部

~高齢者支援の現場からみた災害対策について~

 

今回は高齢者支援の現場の視点として「常備薬」について少しお話をさせていただきたいと思います。理由としては過去に災害ボランティアとして被災地の皆様と関わった時に、高齢者を中心に困っている事の一つに持病薬の「常備医薬品不足」が多く聞かれていたからです。そこで災害時に備えて今日からできることについて触れさせていただきます。

 

日本の国土の面積は総務省統計局の世界の統計2022年で全世界のたった0.29%しかありません。しかし、全世界で起こったマグニチュード6以上の地震の18.5%が日本で起こり、全世界の活火山の7.1%が日本にあります。つまり、日本は世界でも災害の割合が高い国といえます。そして世界的にも前例がないほどの高齢化も進んでいる地域でもあります。

 

高齢者は疾病を抱えた方が多くいらっしゃいます。衣食住についても重要ですが、内服薬等の薬についても欠かすことはできません。災害時には避難所生活となる場合もあり、かかりつけの医療機関を受診できるとは限りません。そんな時、お薬手帳をお持ちの方は、同じ薬の手配ができなくても薬の情報が一目でわかり、現場ではスムーズに対応できたケースがあったようです。最近では、マイナンバーカードに薬の情報が記録されるようになってきましたが、現段階では、情報に1か月程度の時間差があるためお薬手帳のほうが最新です。スマートフォンのお薬手帳アプリを利用されている方もいますね。

 

ご家庭での対策として、慢性疾患などでいつも飲んでいる薬がある場合には、3日間〜1週間分の予備薬をいつも用意しておき、すぐに持ち出せるようにしておくことをおすすめします。薬には期限がありますので、常に新しいものと交換するようにしましょう。

 

大雨・強風、地震などの災害は、非常に大きな被害をもたらします。自分や家族を守るために、災害に関する知識や情報を取り入れ、さまざまな対策を取ることが大切です。薬について分からないことがあれば、処方してもらっている薬局の薬剤師に相談することもできるかと思いますし、かかりつけ医にも相談してみてはいかがでしょうか。

 

今回はお薬について少しお話させていただきました。

災害時には、乳幼児や高齢者、食べる機能(かむこと・飲み込むこと)が弱くなった人、慢性疾患の人、食物アレルギーの人などへの配慮が必要となるため、災害時の食について次回のブログでは「災害時における食料品備蓄」について少しお話させていただきたいと思います。

 

 

特別養護老人ホーム藤花・小阿賀

施設長 吉川 貴志